中高で古典を習うとき,単語を覚えるのに苦労したことはありませんか?古典の単語は,考え方次第で気楽に覚えられるようになります。
そもそも,なぜ単語を覚えることが難しいのか...
➀今は使われていないから
➁現代使われている意味と違っているから
➂単語の意味がたくさんあるから
大きく分けて,以上の3点の中に原因があるのではないでしょうか?古典を正確に読み解くには,単語を覚えていることが欠かせません。その時にマインドマップが役立ちます。
今回は,単語の意味や関連する情報をマインドマップに落とし込んで,効率よく覚える方法をお伝えします。
その際に大事なコツが2つあります。
1つめが,俯瞰して意味のつながりを考えることです。 2つめが,関連付けて,覚えることを減らすことです。
この2つのコツについてご紹介していきます。では,さっそく始めましょう。
俯瞰して意味のつながりを考える
まずは,古典でたくさん意味のある単語の代表格,「かなし」を取り上げます。
「かなし」にはWeblioによると
➀しみじみとかわいい。いとしい。
➁身にしみておもしろい。すばらしい。心が引かれる。
➂切なく悲しい。
➃ふびんだ。かわいそうだ。
⑤くやしい。残念だ。しゃくだ。
➅貧しい。生活が苦しい。
「かなし」には,これほどたくさんの意味があります。
これだけで覚えるのが大変だ,無理だと思えてきます。
しかし,現代に置き換えると,例えば,「ヤバい」はどんな時に使いますか?美味しいものを食べた時に「おいしい」の代わりに使いますね
失敗した時にも「大変だ」の代わりに使いますね
絶景を見た時にも「素晴らしい」の代わりに使いますね
かわいいものを見つけた時も「かわいい」の代わりに使いますね
このように,現代語でも単語1つに対になる意味があるのではなく,いくつもの意味があるものです。
これを踏まえておくと,古典単語にたくさんの意味があることにもうなづけます。古典単語を覚えるコツ1つめは,俯瞰して意味のつながりを考えることです。
これらの意味を俯瞰すると「かなし」は,「かわいい」ことや「興味深い」こと,「かわいそう」なことなどマルチに使える,言わば「ヤバい」のような言葉だとわかってきます。
このように考えると,古典単語も身近に感じるのではないでしょうか?さて,これらをマインドマップに書き込んでいきましょう。
今回は,組織図を使います。
最初のトピックに「かなし」と書きます。
そこから派生するサブトピックに「かなし」の漢字表記,「愛し」と「悲し・哀し」を書きます。さらに,それぞれから派生するサブトピックに意味を書き入れます。
最後に,自分なりの現代語のイメージを吹き出しに書いたり,先生が言っていたこと,習ったこと,関連することを関連線で書き入れたりして,自分らしいマインドマップにしていきましょう。
これで,たくさんの意味を整理できました。
次に「かなし」が出てきたら,このマインドマップを使って意味を探すことができます。
そして,どこで出てきたのか,どんな風に用いられたかをマインドマップに書き込んでおきましょう。
「かなし」を見るたびに,このマインドマップを見返すことになるので,意味が定着しやすくなります。
EdrawMindを使えば,左下の+を押してページを増やせます。
他の単語も同様に作っていきましょう。
文法が苦手な方は,文法に関する情報も書き込んでおきます。
関連付けて,覚えることを減らす
次はコツの2つめ,関連付けて覚える量を減らすことについてご紹介します。
コツ1つめで,意味同士のつながりを考えることをお伝えしましたが,できる限り意味と意味に関連性をもたせることで,整理することができて,覚えることを減らすことができます。
具体的には,「わろし」だったら,「地位」に関するもの,「見た目」に関するもの,その他に分けます。
どうでしょう?
8つの意味を丸々覚えるより,簡単ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたか?
単語帳に載っている意味を丸暗記するのも大事ですが,マインドマップを使って視覚化すると,一見たくさんの意味があるように見える単語も,整理されてまとまっていくので,覚える量を減らすことに繋がります。
ぜひ,マインドマップを使って古典単語を覚えてみてください。